ランナー栄養研究所
ミネラル

鉄分足りてますか?

ランナーが貧血になると、まともに走れなくなります。

なぜなら、マラソンのような持久力を必要とするスポーツには当然ながら酸素が必要であり、貧血になるとその酸素が十分に身体中に行き渡らなくなるからです。

筆者は学生時代に貧血になりましたが、貧血になった時と改善した時は、天国と地獄のような違いでした。

ランナーにとって鉄分は、間違いなく必要な栄養素です。

この記事では、貧血にならないようにするため、鉄分の必要性と効率の良い鉄分の摂り方を解説していきます。

この記事の結論
  1. 鉄分は身体を動かすエネルギー
  2. 貧血になると様々な悪影響がある
  3. ランナーのパフォーマンスアップには鉄分が必要
  4. 鉄分摂取はサプリメントを摂ろう

鉄分貯金しましょう

鉄分は、人体にとって生命維持機能を果たす重要なミネラルです。

最も重要な役割は、酸素輸送に関わることです。

鉄分の種類には、

  • ヘモグロビンにより酸素を運搬する機能鉄
  • 貯蔵鉄であるフェリチン

があります。

体内の鉄は、2/3が赤血球中のヘモグロビンで、1/3は貯蔵鉄として肝臓や脾臓に存在します。

一般的に知られているヘモグロビンの値が通常でも、フェリチンが少ない場合があります。それを隠れ貧血や潜在性鉄欠乏症と呼んでいます。

例えると、ヘモグロビンが財布にあるお金、フェリチンが銀行に預けてあるお金になります。

びあーのパパ

財布にお金があっても、銀行に貯金がないと不安ですね。

鉄分は何に使われてる?

鉄分の役割は、

  1. 赤血球をつくり、酸素を運搬する
  2. 筋肉に酸素を貯蔵する
  3. エネルギーを生産する
  4. 活性酸素を除去してくれる酵素をつくる
  5. 神経伝達物質をつくる

ことです。

びあーのパパ

鉄分は大事な役割があるんですね

鉄不足はエネルギー不足

貧血は、赤血球、ヘモグロビンの数が減少している状態です。

それは、慢性的な酸欠状態ですので、細胞が正常に働きません。

ミトコンドリアを働かせるのは、鉄分が必要なのです。

貧血には、鉄欠乏性貧血と運動性貧血があり、

運動性貧血は、足の裏に衝撃の多いスポーツをしている方がなりやすいです。

貧血は、

・精神状態に影響し、イライラしたりキレやすい

・疲れやすい

・肌が荒れやすい

・体温低下

・不眠

といった症状を引き起こしてしまう可能性があります。

日本人女性は鉄不足

通常、食事から1日に吸収できる鉄の量は約1mgで、汗や尿、便などで排泄される量も約1mgです。

女性は、月経によって1ヶ月に約30mgの鉄を失うので、女性は男性の約2倍の量の鉄を失っています。

鉄が満たされている状態の値をフェリチン値では100以上としていますが、20~40代の70%の人は、フェリチン値が30以下=重度の鉄不足状態と言われています。

びあーのパパ

ほとんどの人が鉄不足なんですね

摂取する量が不足すると、臓器などに貯金されている組織鉄が減っていき、次に貯蔵鉄であるフェリチンが減少していきます。

ランナーには鉄分が必須

ランナーに鉄分が必須な理由としては、

①酸素輸送能力の向上

ランニング時、筋肉は大量の酸素を必要とします。

鉄分は、酸素を運ぶ役割を担っています。

鉄分が十分でないと、酸素輸送能力が低下し、パフォーマンスが低下する可能性があります。

②エネルギー代謝のサポート

鉄分は、エネルギーを生成するための代謝にも関与しています。

鉄分が不足すると、エネルギー代謝が効率的に行われず、疲労感が高まります。

③免疫機能の維持

鉄分は、免疫細胞の機能維持にも重要です。

鉄分不足は免疫力の低下を招き、ランナーが感染症になりやすくなるリスクが増えます。

鉄分を効果的に摂る方法

鉄分を摂るには、食事とサプリメントの摂取が考えられます。

鉄分の種類は、

  • ヘム鉄‥肉や魚などの動物性食品に含まれる有機鉄
  • 非ヘム鉄‥野菜や穀物に含まれる無機鉄

吸収率は、

    ヘム鉄‥10~30%

    非ヘム鉄‥1~5%

となっています。

びあーのパパ

食事からだけでは難しそうですね

そこで、サプリメントを利用していきます。

鉄分のサプリメントも様々ありますが、中でもアミノ酸でキレートされたフェロケルという種類があり、吸収率が高くおすすめです。

鉄分の摂取量の目安は、

男性 7.0~7.5mg

女性 10.5~11.0mg

と言われています。

びあーのパパ

鉄分を摂る際は、ビタミンCを一緒に摂ると吸収を促進してくれます。

パフォーマンス向上にビタミンC ランニングは、健康に良いということが広く認識されているスポーツです。 ランニングの効果を最大限に引き出すためには、特に栄養素の摂...

貧血にもタンパク質が重要

貧血で病院にいくと、食事指導や鉄剤が薬として出されます。もちろん鉄分も必要ですが、タンパク質も必要です。

貧血とは、赤血球の大部分を占めるヘモグロビンが少なくなった状態です。

ヘモグロビンとは、ヘムという鉄を含む赤色素とグロビンというタンパク質から成り立っています。

鉄分を摂取してヘムが足りても、グロビンがなければ赤血球(ヘモグロビン)は合成できません。

タンパク質不足は、赤血球の生産が減少する上に、赤血球自体の寿命も短くなります。

ヘムもグロビンも共にタンパク質(アミノ酸)を主に構成され、これらを構成していくためには酵素(タンパク質)が働きます。

さらに、鉄の貯蔵や運搬の主原料にもタンパク質が必要です。

びあーのパパ

タンパク質あっての鉄分なんですね

ランナーが必ず摂るべきタンパク質! フルマラソンを完走することが目標であったり、記録を縮めようとするには、栄養管理が必須です。 なぜなら、マラソンにはトレーニングの...

まとめ

鉄分が足りていないと、身体にエネルギーが回らなくなり、精神的・肉体的にもつらくなってしまうことがあります。

ランナーは貧血になると、間違いなく今までとおり走れなくなります。

何かおかしいなと感じたら、検査をして、自分の状態を知ることから改善のスタートが切れます。

不足していることが分かれば、食事+サプリメントで改善していけます。

ランナーにとっては、酸素輸送能力の向上やエネルギー代謝のサポート、免疫機能の維持に重要な栄養素です。

ただ、鉄分だけではなく、身体のベースであるタンパク質も意識して摂り入れましょう!

ABOUT ME
びあーのパパ
陸上競技歴25年以上の経験と分子栄養学に基づいた知識を発信しています。 フルマラソンPB 2時間39分 分子栄養学インストラクター アスリート栄養食インストラクター